2008年03月23日

初恋。

塙幸成 『初恋』(2006) ★8.7

1968年に起きた、かの有名な「三億円事件」を題材にした宮崎あおい主演のラブストーリー。世紀の大事件の犯人は実は女子高生だったということで、その犯人役みすずをあおいちゃんが演じています。いきなりのネタバレかよって感じですが、でも、そういう「ね、ビックリでしょ!?」みたいなスキャンダラスな描かれ方ではなくて、女子高生みすずのとても等身大な、いわゆる青春モノとして演出されていて好感が持てます。
両親に捨てられ、預けられた叔父の家では厄介者扱いのみすずは、幼い頃別れた兄と再会し、彼の通うジャズバーに出入りし始める。そこには何人かの仲間たちがいて、彼らもみすずと似たような世間からつまはじきにされた人間たちで、みすずも彼らと打ち解けていくんだけど、仲間の一人が機動隊にリンチを受けて歩けなくなったり、そんな闘争に嫌気が差して実家に帰っていったりと、徐々に彼らの放蕩生活も煮詰まっていってみんなバラバラになってしまう。そんな時に、仲間内で一番シニカルで非行動派っていう感じの岸(小出恵介)がみすずにある計画を持ちかける。これが「三億円強奪計画」で、みすずは自分のことを必要としてくれるっていう喜びと、岸に対する秘めた恋心、そして一種の自己実現っていうか「これで自分も変われるかも知れない、変わりたい」っていう思いから計画に協力する。この計画に乗る辺りがすごくいい感じで、10代の頃に誰もが抱くような普通の等身大な感情によって「三億円事件」が起こるっていう、その流れが素敵です。これはありそうもないって言えばそうかも知れないけど、僕は結構リアルだなあと思った。なんとなく『最終兵器彼女』とか『ほしのこえ』とかに通じる現代的なリアリティというか。この映画も最後すごい切ないし。まあ、見方によっては甘っちょろい世界だなーと思われるかも知れないけど、映画自体もの凄く丁寧に作られていて非常に良い映画でした。ほとんど文句の付けようがないぐらい良く出来てる(強いて言えば、セリフがちょっと練られてないようなベタな感じがするのと、全体的にあまりに良く出来過ぎてるっていうところかな。もうちょい冒険しても良かったかも)。あおいちゃんはいつも通りすこぶるイイし、小出恵介もなかなか悪くないし、この監督は良く知らないけど今後なかなか期待できそうな気がした。



予告。↓

posted by ケニー at 02:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。