2009年01月28日

saue to royoshi。

サイプレス上野とロベルト吉野 『WONDER WHEEL』 ☆8.7

前作『ドリーム』から早2年、待ちに待ちましたサ上とロ吉の2ndアルバムです!参加アーティストに、SLY MONGOOSE、 宇多丸(RHYMESTER)、 将絢(Romancrew)、 ZZ PRODUCTION、 RYUZO、 竹内朋康など。プロデュースに、前のエントリーで紹介したおなじみLatin Quarter、SCARSの新作でも名を連ねてたBACHLOGICなどが曲を提供しています。

本作は前作以上にHIPHOP、ロック、ハードコア、ダンス、エレクトロ、お笑い(?)などなど、ハイテンションなジャンル混交ぶりにクラクラ。Latin Quarterのスウィートでキラキラした流石にカッコいいタイトル曲#3に始まり、HIPHOPへの愛を余すことなく綴った、サビのスクラッチが泣ける#4「START LINE」、今までのサ上とロ吉にはないディープなノリで新鮮なSLY MONGOOSEをフューチャーしたダンス・エレクトロな#10「FEEL LIKE DANCE」、サイプレス上野が照れながらも自身の母ちゃんに捧げた名曲#15「Dear MaMa」など、全体通してポジティブな空気に満ち溢れた、まさにワンダーな感動作。彼らのこの「楽し過ぎて、やめられないっしょ!」っていう感じが前作とかもそうだけどホント気持ちいいー。聴いてるこっちもいつの間にかサ上とロ吉クルーの一人のような錯覚に陥って、ほくほく気分でビート・シンク。このご時世、派遣村辺りに何枚がバラまいてきたらちょっとは世の中明るくなるんじゃないかな〜っていう現代のネズミ小僧的な何か!HIPHOPミーツallグッド何か!ライブ見たい!

↓そういえばジャケの絵、サ上の母ちゃんに書いてもらったらしい。ポップ。



#3「WONDER WHEEL」PV。↓

ラベル:HIPHOP
posted by ケニー at 17:10| Comment(1) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月10日

ガチ男。

小泉徳宏 『ガチ☆ボーイ』(2007) ☆8.2

YUIちゃん主演の前作『タイヨウのうた』がメチャメチャ傑作だった小泉徳宏監督の二作目。ネットで調べて初めて知ったんだけど、原作は劇団モダンスイマーズの舞台『五十嵐伝〜五十嵐ハ燃エテイルカ〜』という作品らしいです。主演の五十嵐良一役に佐藤隆太で、共演がサエコ、仲里依紗、泉谷しげる、といった感じです。僕は小泉監督の前作『タイヨウのうた』が個人的にめっちゃ好きで、この監督には密かに期待しているんですけど今作は正直言うとちょっと期待はずれな感じでした。とりあえず、あらすじ。↓

gachi-01.jpggachi-02.jpg大学生の五十嵐良一は、ある日の帰宅途中に自転車で転倒し、頭を打ったその日以来、一晩眠ると昨日の出来事をまるで覚えていないという記憶障害を患っている。しかし、五十嵐はその転倒事故直前に見たプロレス研究会の試合を、その感動とともにしっかりと記憶していて、その記憶を頼りに自ずとプロレス研究会の扉を叩く。一方、プロレス研究会はというと去年のスター選手だったドロップキック佐田(川岡大次郎)が退部して以来、低迷状態にあり、不意に訪れた新入部員の五十嵐を快く迎え入れる。記憶のことを打ち明けないまま必死に練習し、プロレスの段取りを覚えようとする五十嵐だったが、やはり物覚えが悪く、本人も部員たちもやきもき。そんな不安を残したまま、軽いイベントだからということで商店街でのデビュー戦が決まり、晴れて「マリリン仮面」として五十嵐はリングに立つのだけど、案の定、段取りをド忘れ。先輩レスラー・デビルドクロ(小椋毅)相手に筋書きのないガチンコ勝負をしてしまう。流血、失神の散々な勝負だったにもかかわらず、しかし何故か観客には大ウケ。で、その試合をきっかけに、なんと学生プロレスの人気スター・シーラカンズから試合のオファーが舞い込むことになるのだが‥‥。

悲劇のヒーローorヒロインで泣かせる類いの話って基本的にキライなんですけど、小泉監督の『タイヨウのうた』とかはその流行りの企画を踏襲しつつも、実にあっさりとウェットになり過ぎず描いてたと思うんですよね。それは無駄にカットを割らない編集やシンプルな撮影にスゴく表れててそこがめちゃくちゃ好印象で、そういう視点では本作もその押し引き加減というか、やはり抜群に上手いと思うんですけど、全体的になんとなく予想の域を出ない感じもある。

ちょっとクドカンっぽい、あっさりとしたしょうもないギャグセンスとか、記憶障害故にマネージャーの麻子(サエコ)に何度も告白してはふられるバスの中のシーンとか、父親である泉谷しげるの苦悩とか良いところはいっぱいあるんですけど、でも故に勿体ないと思うのは主人公の五十嵐がプロレスをやっている時だけは生きていると実感するっていう、そのビビッドな感じがイマイチないような気がするんですよね。記憶は蓄積されないとしても筋肉痛の痛みとか徐々に逞しくなっていく体とか、身体に刻まれたモノは残っていくっていうことがプロレスを志向する理由になってると思うんだけど、その身体的な喜びみたいなのがあんまり伝わってこないというか‥‥。『300』で描かれたスパルタ兵の戦闘狂みたいな感じというと言い過ぎかもしれないけど、最後のリング上で倒されても何度も立ち上がってくるのは「仲間やチームの為に絶対勝つんだ!」とかそういうことじゃなくて、この勝負によって身体に残されるモノ(痣とか打撲とか)だけが明日の自分に繋がってるっていうようなそういう想い故に「やめられないでしょ」っていう方が、グッと来るんじゃないかなあ、と。ボロボロなんだけど、なんかどことなく楽しそうな感じとかね。

と、まあちょっと辛口ですが、別に駄作とかではないので小泉監督には引き続き期待です!



予告。↓

ラベル:邦画 コメディ
posted by ケニー at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月07日

あけましておめでとうございます。

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年も細々とながらもいろいろな作品のレビューを書いていければと思うので、どうぞよろしくお願いします。今年はもう少し更新率上げたいッス。



井口奈己 『人のセックスを笑うな』(2007) ☆6.5

という訳で、早速ですが、本年1発目のレビューはゆる〜い日常がイイ感じにまったりだった前作『犬猫』で人気を博した、井口奈己監督の最新作です。原作は第41回文藝賞を受賞した山崎ナオコーラの同名恋愛小説で、主演に最近人気著しい永作博美と松山ケンイチ。本作は公開後の評価も高くて、かなりの期待感を胸に抱きつつ観てみたんですが、う〜ん、どうなんでしょう、コレは。メンツとか設定とか絶対話題になるな〜っていう感じで、実際、単館公開で話題になってどんどん上映館が増えていったみたいなんだけど、僕としてはぶっちゃけちょっと退屈だったなー。ん〜、まあ、とりあえず、簡単にあらすじ行きましょう。

hito no-01.jpghito no-02.jpghito no-03.jpg地元の美術大学に通う学生・磯貝みるめ(松山ケンイチ)の前に、ある日、産休に入ったリトグラフの先生の代わりに非常勤講師として現れるのが、猪熊ユリ(永作博美)。彼女を見て、以前、靴擦れで歩けなくなったところを助けてあげたその当の女性だと思い当たったみるめは、なんとなく彼女のことが気になり、リトグラフの教室に通い始めることになる。二人は学生と教師という立場の違いも気にせず、すぐに打ち解け合い、「モデルになってほしい」とユリから頼まれたみるめは、彼女のアトリエを訪れる。ソファに腰を降ろし、いざポーズを作ろうとするみるめに対して「それ脱いで」と事も無げに指示するユリ。みるめが言われるがままにセーターを脱ぎ捨てると、続けてユリは「それも脱いで」とみるめのTシャツ、ズボン、以下諸々も脱がしにかかり‥‥‥‥。

という感じで、ちょっとこの展開だけ聞くとかなりベタなAVのシナリオみたいですが、実際のところほとんどそんな感じではあります。この後、そんなこんなでヌードデッサンのモデルとしてユリのアトリエに通ってるうちに、二人は自ずとそういう関係になっちゃってこちとら羨ましくも腹立たしい気分で「なんだかなあ‥‥」っていう感じです。事が終わった後の非常にリアルで自然体ないちゃつき具合とか、二人とも演技上手いなーと思うんですけど、ラブラブで仲睦まじい美男美女カップルとか別に見たくないというのが僕の本音だったりします。まあ、結局後半でみるめはユリに遊ばれてたことを知って、ショックを受けて、でもどうしても忘れられなくて悶々しちゃうことになるんだけど、そこら辺も展開というには特になんもなさ過ぎてフツーに退屈でした。みるめに片思いする蒼井優演じるえんちゃんはそんな中でも頑張ってはいたけれど、でも蒼井優っていっつもあんな感じだしなぁ。

本作が固定の長回しによってそのほとんどのシーンが撮られてるというのも、この停滞感に寄与してるような気もするし、そういった撮影を好んでいる故なのか俳優のアクションで繋ぐようなカット間の編集がなんとなくヘタだと思った。みるめがユリの実家を訪れて、こたつに入ってお菓子を食べている時に二階からユリが降りてきてフレームインする所の繋ぎとかアレで良いんだろうか。なんか『犬猫』では感じられなかったお粗末な部分が本作ではいろいろ垣間見れた感じがして、『犬猫』ファンとしては複雑な思いです。でも、もしかしたら本作をカップルで観たりすると、ほんのり艶っぽい雰囲気になってお互いにわかに盛り上がり、劇場を出てからラブホ街に消えたりといった、そういった効果があるんでしょうか?僕には何ともわかりません。そして、ラストに出るテロップに激しく虚脱。



予告。↓

posted by ケニー at 01:45| Comment(0) | TrackBack(4) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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