2008年07月07日

SHOOTER。

アントワーン・フークア 『ザ・シューター/極大射程』(2007) ☆8.8

スティーヴン・ハンターの同名小説を『トレーニング・デイ』、『キング・アーサー』の監督、アントワーン・フークアが映画化。キャストは、復讐の鬼と化した元海兵隊の凄腕スナイパー役にマーク・ウォールバーグ、FBIの新人捜査官にマイケル・ペーニャ(売れっ子だなー)、未亡人のヒロイン役にケイト・マーラなどが好演してます。

海兵隊の敏腕狙撃手であるボブ・リー・スワガーは、相棒の観測手ドニーとともにアフリカでの偵察任務に就いていた。しかし、事態は一転し、偵察対象のゲリラとの間で銃撃戦が起こる。不測の事態に慌てた上層部はスワガーとドニーを見捨てて撤退し、それによって相棒のドニーは命を落としてしまう。それ以来、ボブ・リー・スワガーは祖国への忠誠を失い、退役後も愛犬とともに山荘で隠遁生活を続けていた。アフリカでの悲劇から三年後、そんな彼の元を訪ねてくるのがアイザック・ジョンソン大佐(ダニー・グローヴァー)で、「大統領の暗殺計画を阻止してほしい」と言う。最初はその依頼を撥ね付けたスワガーだったが、微かに残っている愛国心が彼を任務に赴くことに。大統領が遊説を予定しているいくつかの都市を下見し、スワガーはフィラデルフィアで計画が実行される可能性が高いと予測。演説の当日、何百人もの警官が配置され、スワガーも現場で監視にあたるのだが、一発の銃声とともに状況は予期せぬ事態に‥‥。

(*以下、ネタバレします)という訳で、以降の展開ですが、「今度こそは」と祖国を信じて任務を引き受けたスワガーは、またしてもその祖国から裏切られることになります。演説会場で一発の銃声が鳴り響き、聴衆が蜘蛛の子を散らすように逃げる中で気付けばスワガーの腹が血に濡れていて、撃ったのはというと先ほどジョンソン大佐に紹介された初老の町の巡査。その瞬間、スワガーは全てを悟る。続く一撃を肩に受けながらも、なんとかその場から逃走するスワガー。大統領の暗殺実行犯として緊急指名手配を受ける中、盗んだ車でのカーチェイスなどを経て、命からがらたどり着いた先は相棒ドニーのかつての婚約者だったサラ・フェンの家。なんとかサラに協力してもらって銃弾を摘出したスワガーは、合衆国への復讐を誓い、動き出す。

このスワガーは愛国者故に合衆国との戦争を選んだ孤独なテロリストという立場の男なんですね。これは実際アメリカが愛国的な人間たちを騙し続けてきた当然の帰結のように思えて、おそらく『告発のとき』とかとも通じるような「アメリカの正義」に対する不信がはっきり表されてる。だから、ここでのスワガーは全く容赦なくて、ほぼ全ての首謀者たちを殺し尽くす。その表情はかつての冷徹なスナイパーとしての表情と同じでほとんど感情を交えることなくターゲットを始末していくんだけど、その殺人マシン的な表情を与えて優れた狙撃手に育ててくれたのが、まさに合衆国そのものというのが観てて悲しい。だからこそ、ジョンソン大佐や暗躍していた上院議員とかを完全に殺戮した後のラスト、サラの待つ車の中でスワガーが泣き崩れるような、抑えようのない感情が溢れ出す場面があっても良かったような気がする。そこまで堪えて独りで戦ってきた男だからこそ、そこでは泣いていいと思った。そうすることでホントに長い呪縛から解放されるような。



予告です。けっこうネタバレしてるので注意です。↓


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posted by ケニー at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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