2008年08月01日

AEON FLUX。

カリン・クサマ 『イーオン・フラックス』(2005) ☆5.1

『ガール・ファイト』の監督、カリン・クサマが、ピーター・チョンの人気アニメ・シリーズを原案として実写映画化。主人公の女殺し屋役にシャーリーズ・セロン。その敵役を『ロード・オブ・ザ・リング』などに出てたマートン・ソーカスが演じています。なかなかミニマムな設定の近未来SFで、そのスケール感(『ランド・オブ・ザ・デッド』ぐらいの)とか割と好きな感じなんだけど、しかし、ここには設定上の大きな欠陥があるように思われ‥‥。以下、あらすじ。↓

西暦2011年に突如発生した新種のウィルスによって人類の99%が死滅した近未来。科学者、トレバー・グッドチャイルド(マートン・ソーカス)が作ったワクチンによって何とか生き延びた500万人は、汚染された外界から隔てるように周囲を高い壁で囲われた都市ブレーニャで暮らしている。そんな感じで400年余りが経過し、西暦2415年が本作の舞台。ブレーニャの統治を代々続けてきたグッドチャイルド家は、人々を管理・教育し、逸脱者を拘束するなど人々に圧政を強くようになっていた。そんな政府のやり方に不満を持ち、転覆の機会を窺うのが反政府組織「モニカン」。彼らはグッドチャイルド家の当主暗殺を計画し、その実行役として選ばれたのが凄腕の暗殺者であるイーオン・フラックス(シャーリーズ・セロン)だった。そして、ついにその決行当日、イーオンは抜かることなく屋敷に潜入したはいいものの、いざグッドチャイルド家当主を目の前にして事態は一転、予期せぬ方向へ動き出す‥‥。

SF的なガジェットとかVFXなビジュアルとかイーオンのセクシーな衣装とか結構カッコいいんだけど、最初に言ったようにこの先に露になる設定がちょっとというか、かなりオカシイ。という訳で、ここからはがっつりネタバレしますね。

グッドチャイルドの当主を目の前にしたイーオンはなんかいきなり固まっちゃって変な記憶がフラッシュバックして、それで捕まっちゃうんだけど、実はその記憶っていうのが前世の記憶みたいなモノで、さっくり言うと彼女は実はクローン人間なんですね。政府は民衆にずっと隠している秘密があって、それは例のワクチンの恐るべき副作用なんだけど、それというのもそのワクチンを使用した女性はみんな妊娠できなくなってしまうっていうモノで、このままだと人類が滅亡してしまうと思った科学者のトレバーはクローンによって人類を存続させていくという方法をとって、民衆を巧みに騙し、今までやってきたのです。で、イーオンは実は現当主であるトレバー(彼もクローン)の死んだ奥さんのクローンで、その時の記憶が暗殺を思い止まらせたっていうことなんだけど、でも、劇中には人間の記憶をデータとして転送するようなテクノロジーは出てこないのです。

トレバーらのグッドチャイルド家の連中は何代も自分のクローンを作って後を継がせてきたんだけど、その継承している場面を観るに、なんか子供の自分に今までの記憶を語って伝えているっぽいんですよ。で、トレバーの寝首をかこうとしてる私利私欲に狂った弟っていうのがいて、劇後半で自然に妊娠し出した人々を「永遠の命を手放したくない」っていう理由で殺したりするんだけど、コレはちょっと変じゃないですか?記憶が転送できているんだったら確かに「永遠の命」と同等のモノが手に入ると思うけど、口承で伝えているような記憶だったらDNAが同じでもそれは全然別人格の人間でしょ。普通に考えてクローンは記憶を引き継ぐことはない。だからイーオンが前世の記憶を持ってるのもオカシイし、弟が永遠に生きられると勘違いしてるのもオカシイ。

で、このストーリーは「永遠の命」か、はたまた「一回だけの限りある人生」かどっちを選ぶ?っていう話になってくるんだけど、上記のように前提が破綻しちゃっているからその選択肢は成立していなくて、自然分娩が単にクローンでの培養になっただけでそもそも永遠の命なんて誰も手にしてない。大体、そういった副作用が発覚した時点で民衆にも公開して、クローンでの人類存続を呼びかけて説得するしかないと思うんだけど、なんで隠しちゃったのかなー?ワクチンはウィルスから生き延びる為に使わざる負えなかったんだし。そんな風に秘密にしなければ、クローンで世代を繋いでいって普通に平和な暮らしが出来ていたと思うんだよ‥‥。

シャーリーズ・セロンがカッコいいだけに、ちょっともったいない。



予告。↓


posted by ケニー at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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