2008年01月15日

ジャパニーズ・ホラー・ガンバレ。

えー、今回はそれぞれをレビューするというか、「着信アリ」シリーズをきっかけにちょっとジャパニーズ・ホラーってなんでこんなダメなんだろうなあ、っていうことを書いてみようかなと思うんですが、結構長くなっちゃったんであまり興味ない方は読まなくてもいいかも知れません。念のため。

三池崇史 『着信アリ』(2004) ★7.8
塚本連平 『着信アリ2』(2005) ★5.5
麻生学 『着信アリFinal』(2006) ★2.5


(*ネタバレ注意です)っていうことで、「着信」シリーズ一気に観たんですが、しかしホントに「Final」の出来はヒドかったですね。以前レビューで書いたように僕はかなり怖がりなんだけど、この三作目は全然恐くないし、かつ面白くもなくて、こういうのを観ると一作目の三池や『呪怨』の清水崇とかの上手さがよく分かります。内容にしても、バトルロワイヤルやら電車男やらビデオドロームのしょぼいパクリやら、似非ペ・ヨンジュンやらがわさわさ出てきて、もう乾いた笑いを笑うしかない(友達とわいわい観るなら突っ込みどころが一杯あって楽しそうだけどね)。

『輪廻』をレビューした回にも書いた気がするけど、日本のホラーはまずほとんどが受け身体質なんですね。んで、それってたぶん日本の怪物が常に透明な存在っていうか簡単にいうと「怨霊」とかの霊的なモノだからだと僕は思ってて、つまりバットとかで殴れない相手な訳です。そうなるとこっちとしては、そんな存在自体希薄な相手とは一向に闘えなくてとりあえず逃げ回ってパニック状態に陥る(ここまでで始まって45分ぐらい費やす)。まあ、普通に考えてそんなのが出てきたらパニックで泣き叫ぶっていうのも分かるんだけど、でも最後の最後までそんなんじゃ映画としては面白くないのは当たり前で、そこでじゃあどういう風に展開させるかっていうと「なんとか成仏してもらう」っていうことになる。それで、この呪いを解く為にその発生源である場所なり人物なりを探すっていうちょっとした歴史ミステリーみたいになっていって(「着信2」では台湾に飛びます)、打ち捨てられた過去の資料とか白髪の婆さんとかから重要な話を得る。で、大体において、過去に酷いイジメを受けてこの世を呪って死んでいった女の子みたいのがいて、かつてその子の住んでいた家とかそういういわく付きの場所に主人公が赴いていって(ここがポイントなんですけど)、心の底から誠実に叫ぶ、と。

「ごめんなさい。ホントに苦しかったでしょう。お願いだから、もうこんなことやめて。なんだったら私はどうなってもいいから、もうこれ以上復讐なんて考えないで!」みたいな感じで叫ぶんですよね、大体。僕は怖がり+かなり温厚な性格なんだけど、こういうのを観てるとちょっとイライラしてくるんですね。っていうのも、イジメの加害者当人でもないのになんか良く分からん理不尽な恨みをいきなりぶつけられて、それなのになんでそんなへりくだって許しを請わないといけないの?って思うんですよ。最初はまあ恐くて泣いててもいいんだけど、ことあるごとに隅の方で「くすくす、くすくす」ってイヤラシく笑ってるようなガキにいい加減アタマにくるべきだし、そういう風になっていかないと全然面白くないでしょう。「Final」の先生役で出てた板尾にはちょっとそのぶちキレる雰囲気があったんだけど、やっぱりすぐ殺されちゃったし。なんでそんなにみんな従順で大人しいんだろうなーっていう歯痒さが日本のホラーには常にあって、ホントにこれはどうにかしてほしい。

んで、たぶん一番の解決法は上でも言ったように、怪物がちゃんと物理的に存在すること。つまり、手で触れることができて、出てこない時でも異次元とか冥界とかに引っ込んでるとかじゃなくて、公園の土管の中とか廃工場の暗闇とかにちゃんと存在しているっていうことです。そうじゃないとまずもって闘えないもん(例外として、『ポルターガイスト』とか『パラダイム』とかあるけれど、アレらは異次元自体が物理的に存在してるから、捕まえたりできます)。それをふまえた上で最近「おお!」って思ったのが白石晃士監督の『口裂け女』なんだけど、でもこれも結局「口裂け女」っていう実体はいなくて感染していくように女性がどんどん口裂け女化しちゃうっていうことで「あーまたか」ってすごい残念だった(冒頭の30分はマジでめちゃめちゃ興奮したのに)。たぶん、ちゃんと実体のある怪物っていうモノを現実世界に存在させると警察が動いたりしちゃうじゃんっていうこともあって、そういうリアリティの意味で大変だとは思うんだけど、でもそこは「めちゃくちゃ逃げ足が速い」とか「限定された空間(屋敷とか)に閉じ込める」とかでなんとか回避できると思うんだよね。まあ、ただ単に絶対捕まらないっていうのでもいいし、絶対警察は信用しないっていうのでもいいし。

それで、そこまでいけばもうこっちのもんで、あとはもう主人公がいい加減ぶちキレてその怪物とガチンコで闘うだけです。僕が面白いと思うホラーっていうのは絶対そういうアクションが欠かせないし、製作側としてどうしても「泣き」を入れたいとしてもガチンコの殺し合いをした上でそういうエピソードを入れることは全然可能でしょう(『ゾンビ』とか)。っていう感じで、ちょっとそろそろ締めますが、まあ、つまり何が言いたいかというと、四谷怪談みたいな日本的な恐さだけじゃなくてもっとエキサイティングな恐怖だってあっていいんじゃない?っていうことですね。そういえばロメロの新しいゾンビ映画やりますね、今年。楽しみー。



2008年公開予定、ジョージ・A・ロメロ 『Diary Of The Dead』の予告です。↓

ラベル:邦画 ホラー
posted by ケニー at 03:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。