2008年02月18日

TEXAS。

ジョナサン・リーベスマン 『テキサス・チェーンソー ビギニング』(2006) ★5.5

74年に作られた、トビー・フーパー監督の傑作ホラー『悪魔のいけにえ』のリメイク。とは言っても、ストーリーはオリジナルから遡ること10年前のベトナム戦争の時代の話になってて、レザーフェイスの誕生秘話という感じ(でも、そんな大層な謎があるわけではなく、要はレザーフェイスは幼少時代から気味悪がられて生きてきたっていうことが示される)。今回も変態家族(オリジナルでミイラになってた叔父と母親がまだ生きてる)の餌食になるのは海兵隊に志願する為、基地を目指していてたまたまテキサスを通りかかった男女4人の若者で、車の事故をきっかけに保安官に化けた変態オヤジに捕まります。
んで、どうしてもオリジナルの『悪魔のいけにえ』と比べて観てしまうんだけど、本作がダメな理由としてまず第一に、主要な凶器がチェーンソーやトンカチではなく、ライフルになってるっていうことが挙げられる。後半にはチェーンソーが振り回されるんだけれど、中盤までは変態オヤジの持つライフルが若者たちにとっての恐怖の対象になってて、これだと鈍器や刃物に付きものの身体性の伴ったアクションっていうのが生まれづらくて、銃で脅されるっていう類いの静止した恐怖感になっちゃう。コレってかつての『悪魔のいけにえ』の醸し出してた恐怖とは全然別物で、そこがちょっとなーって感じです。で、第二に、捕らえられた男女がいつまでも殺されずに監禁されているっていうことがオカシイ。レザーフェイス一家っていうのはそもそも殺人が好きなシリアルキラーっていうんじゃなくて、食糧として人肉を食らう家族なはずで、そうだとすれば獲物はすぐに仕留めて肉をサバいて冷凍保存なりなんなりするのが正しい作法でしょ。でも、本作ではちゃちな拷問を加えはすれども後半まで一向に殺さないで「何で殺さないんだよ」ってちょっと観ててイライラしました。そういったユルい時間を与えることで映画は停滞するし、この家族の異常性も半減する(意味不明な戯言を口走ってれば異常に見えるっていう訳ではないよ)。オリジナルのレザーフェイスが脅威的だったのは、出会い頭でもう反射的に若者たちを肉として扱ってたからで、本作ではその感じが失われてる。あと、もう気になったところをどんどん挙げてくと、オリジナルに比べて明らかににテンションが低過ぎるのも観ててつまらないし、絵的にカッコイイっていう画面が一向にないし、最後の方とかレザーフェイスが超現実的な出現の仕方をするし(ご都合主義)、こう言うと元も子もない気がするけどやっぱり『悪魔のいけにえ』をリメイクするのはトビー・フーパー本人以外は無理なんじゃないかな。これがリメイクじゃなくて、オリジナルの『悪魔のいけにえ』も存在してなければそんなに駄作でもないような気がするけど、いかんせん相手が悪過ぎるっていうかハナから負け試合っていうか、どうしたってダメな部分ばかり見えてきてしまって気の毒です。まあ、だからってオリジナルを模倣すればいいってことではないんだけど、こんな並のホラーにするぐらいなら別に『悪魔のいけにえ』じゃなくても良かったんじゃないかなあ。



予告。↓

posted by ケニー at 02:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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