2008年03月05日

CAPOTE。

ベネット・ミラー 『カポーティ』(2005) ★8.0

トルーマン・カポーティのノンフィクション・ノベルの傑作『冷血』が書かれるまでを描いた伝記映画。カポーティを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンはこれでアカデミー主演男優賞を獲得しました。『冷血』という小説は僕は読んだことないんですが、実際に1959年に起きたとある田舎町での一家惨殺事件を取材したノンフィクションの小説らしくて、映画ではその殺人事件の犯人とカポーティとのやりとりが中心になって進んでいきます。カポーティは最初ただ面白いネタとして犯人であるペリーとの接触を試みるんだけど、彼と話すうちに徐々にその奥深く暗い精神に魅了され始めて「これは傑作になる」と予感する。んで、逆にペリーの方は、カポーティの柔らかい物腰と対応から自分の立場を擁護してくれるのだと信じ始めてカポーティに全てを任せるんだけど、自分のことを書いた小説のタイトルが「冷血」だと知って、ショックを受ける。結局、二人の形だけの友情はペリーの絞首刑で幕を閉じ、カポーティはこの体験からそれ以降一作も小説を完成させることができなかった、らしい。カポーティは最初のうちはペリーに有能な弁護士を用意したりしてかなり好意的なんだけど、途中から精神的に重くなり過ぎてきてペリーの死刑執行を待ち望むような心境にさえなる。この辺がけっこうイイ。例えるなら、ちょっとした軽い善意でイジメられっ子を助けたらそいつに妙になつかれ始めてなんだかうざくなってきたっていう、その感じよく分かります。でも、言うほどカポーティは冷酷なヤツっていう描かれ方ではなくて、むしろカポーティ本人さえ善意から彼を助けようとしてるのか、単に話題性のため接触してるだけなのか分からないような、どっち付かずの演出になってて、これは上手いと言えば上手いような気もするけど、中途半端と言えば中途半端な気もするし、んー微妙ですね。もしかしたら、監督としては「冷血」なのはむしろカポーティの方だと言いたいのかも知れないんだけど、ちょっと伝わり辛いのが勿体ない。でも、監督、長編二作目にしてはなかなかイイと思った。

あと、「CAPOTE」ってフランス語だとコンドームの意味になるそうです。可哀想な名前。

posted by ケニー at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/88435472

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。