2008年04月27日

鉄コン。

マイケル・アリアス 『鉄コン筋クリート』(2006) ☆8.6

松本大洋の人気コミックを『マインド・ゲーム』のスタジオ4℃の制作で映画化。監督は『アニマトリックス』のプロデューサー、マイケル・アリアスで、声優陣は、蒼井優、二宮和也、宮藤官九郎、伊勢谷友介などが担当してて、なかなか豪華。
ストーリーを簡単に説明すると、周辺の再開発が進む中で唯一、昔ながらの町並みを残している下町、宝町が舞台。そこではヤクザからも一目置かれる不良少年のクロとシロという二人組が町を仕切っているんだけど、ある日、再開発の魔の手が彼らのプレイグラウンドである宝町にも及んでくる。悪徳土建屋(?)の金の力で地元のヤクザも丸め込まれ、邪魔者であるクロとシロは奴らが雇った殺し屋から命を狙われる。そんな権力闘争のさなか、シロが重傷を負って、止むなく彼を警察の保護下に置くことをクロは了承する。ずっと一緒に生活してきたシロと別れ、一人で町を守ろうと闘い続けるクロ。しかし、純粋で無邪気な部分を担っていたシロがいなくなったことでクロの精神はどんどん不安定になり、殺伐としていくのだった‥‥。
「クロ」と「シロ」という名前からも分かる通り、この二人はそれぞれ世の中の「黒い部分」と「白い部分」を象徴していて、主に現実面での暴力を担当しているのがクロで、シロは面白いから彼にくっついて一緒になって遊んでいるような無邪気で空想的な存在で、クロに手伝ってもらわないとパンツも自分で履けないような子供なんですね。クロは劇中で何度も「俺がいないとシロは何もできないからな」とお兄さん口調で言うんだけど、でも実のところクロの方がシロを必要としている、シロに守られている存在だっていうことが後半で露になってきて、その関係の切実さに泣ける。これは以前に紹介した『ツォツィ』の赤ん坊と主人公ツォツィの関係と同じで、それを守ることで自分自身もそれ以上堕ちずにいられるっていうギリギリの均衡を保っている状態な訳です。これはもうほとんど男女の恋愛関係に似たあり方だなあと思われ、この映画にヒロインとなるような主要な女性キャラクターが出てこないのは、そういう意味では納得がいきます。あと、読んだことないけど、『ワールド・イズ・マイン』ってこんな感じなのかなって思いました。あっちの方がもっとずっとハードなんだろうけど。
蒼井優ちゃんが、能天気でとぼけたキャラのシロを好演していてナイスです。



予告。↓


posted by ケニー at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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