2008年05月21日

フラガール。

李相日 『フラガール』(2006) ☆8.2

2006年の日本アカデミー賞で、作品賞や監督賞など五部門を受賞した話題作です。周囲の評判も噂に聞くところではすごく良いっぽいので、どれどれ〜?とばかりに観てみたんだけど、確かになかなか良く出来てて面白かったです。

簡単にストーリーを説明すると、昭和40年代、主要なエネルギーが石炭から石油へと移行していく時代に、衰退の一途を辿る福島県いわき市の炭鉱町では新たな産業を生み出し、炭鉱に変わる町おこしが出来ないかということで「常磐ハワイアン・センター」が計画される。地元の人間によるレジャー施設ということで、ダンサーとして炭鉱町の娘が募集されるんだけど当然集まったのは素人ばかりで、これじゃどうにもならないので東京からダンスの先生(松雪泰子)が呼ばれる。新たな産業など望まない保守的な人たちが非難する中、娘たちによるダンスの特訓は連日続けられ、その光景に徐々に村の人々も理解を示していき、そして、ついにオープン初日を迎えるのだった‥‥。っていう、実話を元にしたストーリーです。

今作は非常にエンターテイメントとして良く出来ているっていう印象で、以前紹介した『パッチギ!』の出来の良さを思い出したんだけど、調べてみたら脚本家が羽原大介っていう同じ人でしたね。この人の書く話って、とても良く出来てるが故に非常に優等生的な逸脱のなさがあって、なんとなく周防正行や三谷幸喜の映画に近いような気がしました。どことなく炭坑夫たちも理性的というか、サラリーマンが顔を黒く塗っただけのようなスマートさなんですね。でも、これは別に批判っていう訳でもなくて、こういったベタなサクセス・ストーリーをしっかりと娯楽作品として作るっていうのは一つの価値としてあると思うし、大事なことだと思うんですけど、僕としてはやはりそれだけではグッとこないのも事実です。駅のホームでのシーンとか、引っ越しちゃう幼なじみとの別れとか普通にウルウルしましたが、そのシーンが好きかと問われると「うーん‥‥別に」っていう応えになってしまう。

そういえば気になったんだけど、今作には恋愛の要素がほとんどないですね。豊川悦司演じる洋二朗がダンスの先生のことを好きっぽいけど、全然一線超えないし、素人ダンサーの紀美子(蒼井優)の周囲には同年代の男の子の影すらなくて、何となく不自然です。フラダンスの練習中に「愛してる」っていう意味が込められた振り付けを先生から教わるシーンがあって、これは誰か好きな人に告白するシーンがあるんだろうなって思ってたら、上述した駅のホームのシーンで東京に帰ってしまうことになった先生に対してその振り付けをするんですね。これはちょっと釈然としなかったですね。女同士かよっていう。あ〜、でも、振り付けの意味が分かる相手にしないと伝わらないのか。だからフラガール内の誰かにじゃないといけなかったのかもしれないなあ。って、それにしても男の存在感なさ過ぎるけど。



予告。↓


posted by ケニー at 11:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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