2008年07月26日

最高のつくりもの。

安室奈美恵 『BEST FICTION』 ☆9.4

小室哲哉のプロデュースを離れ、新たなスタイルを模索し出した2002年『Wishing On The Same Star』から、9年ぶりにオリコン一位に返り咲くことになる最新シングル『60s 70s 80s』まで、新生・安室奈美恵の6年間の集大成となる、シングル全17曲を収めたベスト・アルバムです。

90年代を通して、小室哲哉とともにJPOPの頂点を極めたと言っていい彼女ですが、2000年代に入ってからは、CDセールスの不調、SAMとの離婚、息子の親権問題、実母・恵美子さんの訃報(これは1999年)とか、本当にめちゃくちゃ辛かっただろう時期を経て辿り着いたのが、本人曰く「最高のつくりもの」であるという本作で、そういった道程を思うと非常になんか、感慨深く、感動的な作品です。とはいえ、「ベスト・フィクション」の名の通り、ここには湿っぽいヒロイズムや苦境を乗り越えて作られたような汗臭さみたいなモノはなくて、あるのはキラキラしてて軽やかで、色っぽくてソウルフルで、力強くて解放的で実験的なダンスチューンの数々。苦難を二重写しにして泣くのは聴き手の勝手だけど、僕が思うにこのアルバムはそういうのを望んでいなくて、安室ちゃん本人ももうそこには留まっていないようなそんな感じを受けます。だからこその「フィクション」だし、「フィクション」じゃなければ到れないそのリアリティに、僕も頑張らないとな!って素直に励まされます。どの曲もちょーカッコいいしね。

しかし、新生・安室ちゃんはカラオケで歌うには総じて難しい!



カッコ可愛すぎなPV。買うならDVD付きですよ、絶対。

#4「Put 'Em Up」↓



#8「GIRL TALK」↓

ラベル:HIPHOP JPOP R&B
posted by ケニー at 21:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月15日

絢香の2nd。

絢香 『Sing to the Sky』 ☆8.1

ミリオンを突破した前作『First Message』から約1年7ヶ月ぶりになる絢香の2ndアルバムです。僕は彼女の1stアルバムをちゃんと聴いたことないんですが、前々から絢香はなんとなく気になる存在でもあり(ルックス的にも?)、これを機に2ndを聴いてみた次第。

で、月並みだけど、やっぱり第一印象としては歌が上手いというか、非常にその歌唱力に才能を感じる。90年代〜00年代前半ぐらいの日本の歌姫的な人たちって、僕の印象では基本的にすごく高い声が出せるっていうのがウリでもてはやされた気がするんだけど(初期の安室ちゃんとかドリカムとかMISIAとか浜崎あゆみとか?)、そのバブル期のハッタリ飛び道具的な感じとは異なり、絢香の場合はむしろその低域が気持ち良い。高いキーで歌ってても常にしっかりした低域が声に含まれてる感じで、なんとなくジャズシンガーっぽい安定感があって、それ故か彼女はまだ21歳とかなんだけど、非常になんかデビュー時の山口百恵みたいな大人っぽい印象があります。声の感じというか発声が。

以前、BENNIE Kのレビュー時にどことなくネイティヴな感じがするって書いたと思うんだけど、絢香の声質というか発声にも似たような感じがあって、これは詰まるところかつてよりも洋楽との差異がなくなってきてるんじゃないかと、なんとなくそんな気がします。洋楽に対してかつて取り得たスタンス、例えばカウンター的に乗り越えるとか、それを日本的に消化するとか、今までの日本のアーティストたちがいろいろ腐心していたジレンマがそもそもないっていうか、否定も肯定もすることなくやんわりそこから抜け出したような。まあ、その所作が日本的と言えばすごく日本的な感じもするんだけど。最近だと他にスキマスイッチとかそんな感じかな?

曲に関しては無難だと言えば無難な印象ですけど、メロディはキャッチーだし、さすがメジャーは音質もいいし、名曲揃いとは言えないまでも良曲揃いではあります。



曲について全然触れられなかったんで、二曲ほど貼っておきます(そのうち消されるかもしれないけど)。

#7「Why」PV。↓



#10「手をつなごう」PV。↓


ラベル:JPOP R&B
posted by ケニー at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月30日

ミヒマルの新作‥‥。

mihimaru GT 『mihimarise』 ☆6.8

約2年ぶりになるというミヒマルGTの4thアルバム。#2「ギリギリHERO」や#10「俄然Yeah!」などのヒットシングル4曲を含む、全14曲収録です。僕は「俄然Yeah!」とかかなり好きなもんで今作には大分期待してたんだけど、ちょっとコレは残念な感じでしたね。「ギリギリHERO」とか#3「I SHOULD BE SO LUCKY」とかのシングルカットされた曲も全然ピンと来なくて、JPOPでシングル曲に燃えない/萌えないのはちょっと致命的な気がする。アルバムリリース前に「ギリギリHERO」は某レコ屋で試聴してたんだけど、その時からちょっと嫌な予感してたんすよね。だってこの曲ホントにしょうもないんだもん。なんでこんな凡庸なことになっちゃうんだろ?ちょっと大塚愛がダメになっていった感じとオーバーラップして怖いです。

ミヒマルっていうとやっぱりめちゃくちゃヒットした「気分上々↑↑」とか今作にも入ってる「俄然Yeah!」みたいな葛藤一切なしのアゲアゲソングがまさにミヒマル節だと思うんだけど、アルバムを通して聴くとそういった必殺のキラーチューンは実は少なくて、割とフツーのバラードとか入ってるんですよ。で、それが何ていうかあんまり面白くない。初期の大塚愛とかBENNIE Kとかミヒマルとかって四の五の云わずにテンションで押し切るナチュラルハイな感じに予期せぬ批評性みたいのが生まれてたんだと思うんですけど、おそらく作り手としてそこらへんに意識的じゃないからなのか、そのある意味白痴的なテンション一本でがんがんキラーチューンを量産するような方には行かない。そこがスゴく勿体ないんですよね。

で、最近気付いたんですけど、音楽や映画に関わらず僕が今求めてる表現ってそういったウェルメイドに地ならしされたモノじゃなくってもっとエクストリームなっていうか、そういうベタな葛藤とかいらないから、っていうモノなんですよね。だから、『血と骨』の金俊平はスゴかったし、少し前に出たイルリメのアルバムとかもそういう意味でヤバかった。これは別に、リアルな現実に葛藤が存在しないとかそういうことを言ってる訳じゃなくて、それっぽい演出をしてつまらなくなるんだったらいっそのことそんなんいらんよって思うんですよ。30年前に自分を捨てた親父との愛憎入り交じった再会があって、で、うっすら和解するとかそういうの。むしろ、そういうロマンチストには理解の及ばない非人間的な人間の登場を期待したいし、おそらくそこから誰も見たこと聞いたことない葛藤やら業やら抑圧やらが飛び出してくるのではないかなっていう。って、全然アルバムのレビューになってねえー。ひええー。

あ、でもちょっとフォローしとくと#7「BLUE TAGGING」から#10「俄然Yeah!」までの流れはなんだかスゴくいいです。特に#9「ええがな」は関西ノリが頭悪くてまさにええがな〜。やっぱ、これやがな〜。



#10「俄然Yeah!」PV。↓


ラベル:JPOP HIPHOP
posted by ケニー at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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